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[228] 眠れる哀しみ

眠れる哀しみ by Mori@管理人 (20 KB)
「昔々ある所に」、と炎の神はいった。
人間にものを語るには、この決り文句が肝心であるらしいからだ。「弓に触れた事もなかったが、己を石のやじりとみなす娘がいた。けして涙を流す事のないその娘は、とある国の王女だった。
「彼女がどうなったか、数多ある砂の如く、たかが国ひとつに過ぎないが、それが彼女の属するところで、焼き尽くされたときには?
「彼女は言い含められ、国を追われるにあたって身代わりを立てた。その見知らぬ人に己の衣を与え、宝石で飾った。自らは卑女に身をやつした。顔色も変えなかった。周りにはそれが当然だと思われた。
「そして彼女がどう扱われたか。逃げたが、捕らえられた。
もはや卑女にしか過ぎなかったゆえに、物として投げ与えられた。王女でなければ、それは彼女ではない。
「だがそれがなんだというのか。彼女にはどうでも良い事だった。母であった女は娘を石と見なした。王子ではなく、世継ぎにはなれなかったから。たまたま王と呼ばれていた娘の父は、娘を数多ある宝石の一つと見なした。ほうびとして与えるには手頃な石だと。初めから、彼女は物に過ぎなんだ。
「だれも彼女に、人であれとは求めなかった。
やがて時が彼女を削り、酷いやじりへと鍛えた。そして
「娘は自身をこそ、射抜いた。」癒しえぬほどに泣いているものが、その眼に涙を浮かべるとは限らない。***************************前にこちらで書き散らしておいた、「炎の花」の対となっています。「炎の花」は間違ってログを消してしまったようですが、書いた本人の記憶にしっかりと残っているので、文章練ってからまた出してもいいですね。ここに書く時は即興で打ち込んでいるので、文としては結構ぼろぼろなのです。近状-ひたすらに眠いです。
という時に限って眠るわけにはいかないのです。
そしたら、描いたものにも反映されました、とほほ。こちらを見にきてくださる方のメッセージに励まされつつ。
ありがとうございます。

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