[228] 眠れる哀しみ Mori@管理人 2005/06/15 (Wed) 18:08 「昔々ある所に」、と炎の神はいった。 人間にものを語るには、この決り文句が肝心であるらしいからだ。「弓に触れた事もなかったが、己を石のやじりとみなす娘がいた。けして涙を流す事のないその娘は、とある国の王女だった。 「彼女がどうなったか、数多ある砂の如く、たかが国ひとつに過ぎないが、それが彼女の属するところで、焼き尽くされたときには? 「彼女は言い含められ、国を追われるにあたって身代わりを立てた。その見知らぬ人に己の衣を与え、宝石で飾った。自らは卑女に身をやつした。顔色も変えなかった。周りにはそれが当然だと思われた。 「そして彼女がどう扱われたか。逃げたが、捕らえられた。 もはや卑女にしか過ぎなかったゆえに、物として投げ与えられた。王女でなければ、それは彼女ではない。 「だがそれがなんだというのか。彼女にはどうでも良い事だった。母であった女は娘を石と見なした。王子ではなく、世継ぎにはなれなかったから。たまたま王と呼ばれていた娘の父は、娘を数多ある宝石の一つと見なした。ほうびとして与えるには手頃な石だと。初めから、彼女は物に過ぎなんだ。 「だれも彼女に、人であれとは求めなかった。 やがて時が彼女を削り、酷いやじりへと鍛えた。そして 「娘は自身をこそ、射抜いた。」癒しえぬほどに泣いているものが、その眼に涙を浮かべるとは限らない。***************************前にこちらで書き散らしておいた、「炎の花」の対となっています。「炎の花」は間違ってログを消してしまったようですが、書いた本人の記憶にしっかりと残っているので、文章練ってからまた出してもいいですね。ここに書く時は即興で打ち込んでいるので、文としては結構ぼろぼろなのです。近状-ひたすらに眠いです。 という時に限って眠るわけにはいかないのです。 そしたら、描いたものにも反映されました、とほほ。こちらを見にきてくださる方のメッセージに励まされつつ。 ありがとうございます。 Tweet Share △
[227] 誰も寝てはならぬ-Nessun Dorma Mori@管理人 2005/05/28 (Sat) 02:06 眼を閉ざした男。眠っているとは限らない。 何を見ることを望む?何を視ぬことを望む? 目蓋の裏に映る情景は、懐かしく時に疎ましい。********************プッチーニの「誰も寝てはならぬ」、実は眠たくなった時に聞きたくなる曲だったりしますね。いやだって、よく眠れるんですもの。身内が入院してから、行ける時はずっと病院に行ってくるのですが、結構疲れるものですね。交通機関を使っていくわけだから、やたら歩いていくわけでもないし、気を張っているつもりもないんですが、不思議です。看護士さん方にお世話になりっぱなしで、出来る事なんて少ないんですけれど。実は、友人が看護士になったと手紙が来て、おおーという感じ。がんばって欲しいな。短い物語はまた次に。 Tweet Share △
人間にものを語るには、この決り文句が肝心であるらしいからだ。「弓に触れた事もなかったが、己を石のやじりとみなす娘がいた。けして涙を流す事のないその娘は、とある国の王女だった。
「彼女がどうなったか、数多ある砂の如く、たかが国ひとつに過ぎないが、それが彼女の属するところで、焼き尽くされたときには?
「彼女は言い含められ、国を追われるにあたって身代わりを立てた。その見知らぬ人に己の衣を与え、宝石で飾った。自らは卑女に身をやつした。顔色も変えなかった。周りにはそれが当然だと思われた。
「そして彼女がどう扱われたか。逃げたが、捕らえられた。
もはや卑女にしか過ぎなかったゆえに、物として投げ与えられた。王女でなければ、それは彼女ではない。
「だがそれがなんだというのか。彼女にはどうでも良い事だった。母であった女は娘を石と見なした。王子ではなく、世継ぎにはなれなかったから。たまたま王と呼ばれていた娘の父は、娘を数多ある宝石の一つと見なした。ほうびとして与えるには手頃な石だと。初めから、彼女は物に過ぎなんだ。
「だれも彼女に、人であれとは求めなかった。
やがて時が彼女を削り、酷いやじりへと鍛えた。そして
「娘は自身をこそ、射抜いた。」癒しえぬほどに泣いているものが、その眼に涙を浮かべるとは限らない。***************************前にこちらで書き散らしておいた、「炎の花」の対となっています。「炎の花」は間違ってログを消してしまったようですが、書いた本人の記憶にしっかりと残っているので、文章練ってからまた出してもいいですね。ここに書く時は即興で打ち込んでいるので、文としては結構ぼろぼろなのです。近状-ひたすらに眠いです。
という時に限って眠るわけにはいかないのです。
そしたら、描いたものにも反映されました、とほほ。こちらを見にきてくださる方のメッセージに励まされつつ。
ありがとうございます。