[200] Flora - 或いはエルフランドの女王 Mori@管理人 2004/09/26 (Sun) 19:04 お気をつけなさい 人の女なら いざしらず 貴方の目の前にいるのは 詩人に霊感を与えつつも 当の詩人を柳に変える 妖精女王ですよ**************エレン・カシュナーの「吟遊詩人トーマス」のほうも見つけたので読んでみたところ、正直トマス(トゥルー・トマス)の伝承を下敷きにした作品でした。妖精女王に7年間仕えたトマスが、嘘を言えない舌を贈り物に貰って帰る物語で、トマスは実在の詩人であると言われている伝承。この作品は妖精の踊りの輪に巻き込まれたような雰囲気がうまく出ていて、とっぷり浸れますね。最近になってから、非常に好きだった詩人の本が手にはいったので結構嬉しかったりします。(いえ、古い詩集なので単に見つけにくいというだけなんですが。)あとイタロ・カルヴィーノがここのところで結構出版されていて、個人的には喜ばしい、と思っています。(「木のぼり男爵」が好きなもので・・・。) タニス・リーの作品ももうすぐ1冊翻訳されたものが発売されるようで、(「鏡の森」 / 産業編集センター、「バイティング・ザ・サン」も扱ったところですね)まず書店で見る機会を持ちたいです。そういえば。最近になってやっと「アレックス」(原題:IRREVERSIBLE/2002) を見ました。(「マレーナ」「ジェボーダンの獣」のモニカ・ベルッチが出る、という理由からだったのですが。)アレックスという美しい、だがその点を除いては何ら特異なものを持たない女性。否、その点ですら平凡な一事実に過ぎない。問題のあるボーイフレンド。未練がましい元恋人。些細な諍い。それすらも当たり前の日常以上のものではない。そのはずだった。逆行していく時系列、彼女が発する、その時々の何気ない一言。それがいかに皮肉にも彼女自身の結末を暗示しているか。ありえないはずの瞬間。だのにそれが彼女に訪れる。エンディングから始まるプロローグ。 皮肉な事に、「逆行」して語られるのでなければ、むしろアレックスという一女性に起こった陰惨を極める「事故」としか認識されないであろう、悲劇。少しづつ戻っていく情景の中で最後に見せられる”平凡な、幸福と少しの不幸の中にいるアレックス”によって、見ている人間にいかにアレックスという女性が破壊されつくしたかが、頭ではなく、胃の腑のどこかで理解される。・・・これ見た後で、夜中に地下道歩く勇気でないですよ、当分、というか、歩けない・・・。 Tweet Share △
[199] Eve / Lucifera Mori@管理人 2004/09/18 (Sat) 21:04 イブ パンドラ イシス マリー タイス イゾルデ デリラ ルシフェラ甘露と原罪と 子宮と死と 我等 火を放つ為に生まれた*****************水の内にさえ炎は潜む。近状・まずですが、「エヴァ ルシフェラ、或いは総ての美しい女」をギャラリーの方に公開してあります。(いや、飾ってから一週間は経ってしまいましたが。)今回も好きに解釈して見ていただければと思います。個人的なメッセージはもちろんこもっているのですが、見る人の前では常に一端白紙であるべし、と思っていますので。だったら付属の文章も本当はつけないほうがいいのかなとも思うのですが、それはそれで気に入って楽しみにしてくれている方もいるようなので(幸いな事に)、相変わらずちょこちょこと付けておきます。 そういえば、映画「イノセンス」のビデオが15日に出たようなので、今回はレンタルしてきました。やっぱりこの映画の映像が好きなのでつい見たくなってしまったのですね。いちおう、前作あっての作品だとは思いますが、この映画に限っては部分部分を抜き出すことでオニバムス作品を4本は制作出来そうだなと感じます。(いや、もっと出来そうですが) まず3Dで制作された鳥の飛行シーンを見て、「これでバックの「かもめのジョナサン」映像化したらかなりよさそう」とか、でもどうせなら思い切った2D映像と融合する形で、エキセントリックな画面を作り出せば短編として映える、とか。冒頭のベルメールよりの人形の映像も、「少女流謫」とか何とか怪しげなタイトルを付けて、独立して映像化を図ればかなり面白そうですし、他にもちょこちょこ切り出してみたいシーンがあるんですね。でもやっぱりオニバムスに一番いい素材は犬かも。) ・・・まあ、こんなことを見ているときにつらつら考えていたわけです。種村季弘氏の訃報には驚きました。 氏の著作を総て知っているわけではありませんが、氏のおかげで読めた作品や得た知識というのもあるので。71歳、ですか・・・。ご冥福をお祈り申し上げます。 Tweet Share △
人の女なら いざしらず
貴方の目の前にいるのは
詩人に霊感を与えつつも
当の詩人を柳に変える
妖精女王ですよ**************エレン・カシュナーの「吟遊詩人トーマス」のほうも見つけたので読んでみたところ、正直トマス(トゥルー・トマス)の伝承を下敷きにした作品でした。妖精女王に7年間仕えたトマスが、嘘を言えない舌を贈り物に貰って帰る物語で、トマスは実在の詩人であると言われている伝承。この作品は妖精の踊りの輪に巻き込まれたような雰囲気がうまく出ていて、とっぷり浸れますね。最近になってから、非常に好きだった詩人の本が手にはいったので結構嬉しかったりします。(いえ、古い詩集なので単に見つけにくいというだけなんですが。)あとイタロ・カルヴィーノがここのところで結構出版されていて、個人的には喜ばしい、と思っています。(「木のぼり男爵」が好きなもので・・・。)
タニス・リーの作品ももうすぐ1冊翻訳されたものが発売されるようで、(「鏡の森」 / 産業編集センター、「バイティング・ザ・サン」も扱ったところですね)まず書店で見る機会を持ちたいです。そういえば。最近になってやっと「アレックス」(原題:IRREVERSIBLE/2002) を見ました。(「マレーナ」「ジェボーダンの獣」のモニカ・ベルッチが出る、という理由からだったのですが。)アレックスという美しい、だがその点を除いては何ら特異なものを持たない女性。否、その点ですら平凡な一事実に過ぎない。問題のあるボーイフレンド。未練がましい元恋人。些細な諍い。それすらも当たり前の日常以上のものではない。そのはずだった。逆行していく時系列、彼女が発する、その時々の何気ない一言。それがいかに皮肉にも彼女自身の結末を暗示しているか。ありえないはずの瞬間。だのにそれが彼女に訪れる。エンディングから始まるプロローグ。
皮肉な事に、「逆行」して語られるのでなければ、むしろアレックスという一女性に起こった陰惨を極める「事故」としか認識されないであろう、悲劇。少しづつ戻っていく情景の中で最後に見せられる”平凡な、幸福と少しの不幸の中にいるアレックス”によって、見ている人間にいかにアレックスという女性が破壊されつくしたかが、頭ではなく、胃の腑のどこかで理解される。・・・これ見た後で、夜中に地下道歩く勇気でないですよ、当分、というか、歩けない・・・。